絶えず爆発燃焼を繰り返すエンジンの中で、火花を発生させ続け、高温や燃焼ガスにさらされるスパークプラグ。その使用環境は極めて厳しいものとなっている。具体的には、絶え間なくスパークを繰り返すことによる電極の摩耗、燃焼時に発生する煤(カーボン)が電極に蓄積することなど、スパーク性能の劣化をうながす要素が挙げられる。
以前であれば時々、専用レンチを使ってプラグを抜き取り、電極の状態をチェック。焼け具合を色で確認したり、溜まった煤を除去したり、摩耗して広がった電極の隙間(プラグギャップ)を調整したり、メンテナンスしながら使用するが普通であった。しかし、現行型車では、10万キロ使用可能を謳った白金(プラチナ)やイリジウム電極のプラグを搭載したモデルも多くなっており、プラグを外してのメンテナンスを推奨していないケースも多い。したがって、かつては定番であった、プラグレンチが車載工具として付いてこない。こうなると、プラグにはまったくノータッチで次期車両への買い替えというユーザーも多いことだろう。
一方、白金電極でないプラグの場合、通常は2、3万キロで交換となるのがほとんどだ。電極を目で見て、明らかに摩耗が進んでいれば交換時期と考えていい。つまりプラグのメンテナンスが定期的にできる環境であれば、使用距離に左右されることなく、自分の目で判断して交換時期を決めればいい。