その昔、不凍液などと呼ばれるのが定番だった頃、冬季の冷却水入れ替えが普通に行われていた時代もあった。防錆性能と不凍性能を同時に高レベルで備えた製品がなかったので、寒さが厳しい地域ではそれがエンジンやクルマを維持するポイントでもあった。しかし、現在では2つの要素を高次元で満たした、LLCと呼ばれるクーラントが登場。オールシーズンそのまま使えるのはもちろん、ロングライフ対応で、通常は車検ごとの交換でOKとなっている。つまり、2年や3年はそのまま使えるということである。
LLCの登場以降、極めてロングライフとなったクーラントであるが、場合によってはもっと早いサイクルで交換が必要になるケースもある。クーラントの劣化は主に防錆性能の低下と考えていいのだが、実際にクーラントの経路のどこかで錆が発生している場合、液色に変化が表れる。クーラントの流れや圧力、過度の温度上昇などで金属表面から防錆剤が剥がされることによって、錆が生じる。それでクーラントの色が変化するわけだが、ある程度、錆・腐食が進行すると、添加剤などで応急処置しても根本的な解決とはならない。そうなると交換がベストということになる。錆の発生はクーラント経路の目詰まりなどにも繋がるので、液色が変化していたら要注意である。