爆発・燃焼を繰り返しているエンジン。その発熱量はもの凄いものがあり、某かの方法での冷却が必須なわけだが、現在、一般車のほとんどは水冷と呼ばれる冷却方式を採用している。英語ではリキッドクールド。そのリキッドに該当するのが、クーラントである。日本語では水冷だが、純粋に水で冷やしているわけではないのだ。そのクーラントはエンジン内部を循環し、熱を吸収。ラジエターに導かれ、そこで放熱し、温度を下げて、またエンジン内部へと戻っていく。このサイクルを繰り返すことで、エンジンが異常過熱(オーバーヒート)することを防いでいる。
そんなエンジンの温度管理を担っているクーラントだが、水分ということでまず問題となるのが錆だ。金属と水が接すれば錆が発生するわけで、これはエンジンにとって大敵である。そこでクーラントに防錆剤として、リン酸塩系の物質を添加。これでエンジンを錆から守っている。そして次なる懸念は、低温時の凍結だ。もし凍結してしまえば、当然循環させるのは無理だし、ラジエターや配管などが膨張で壊れてしまう。これは絶対に防がねばならない。そこでクーラントにはエチレングリコールが添加されており、マイナス15度ぐらいになっても凍結しないようになっている。尚、クーラントはいかにも毒々しい派手な色が定番となっているが、これはこの2つの添加物とは関係がない。誤飲などを防ぐ目的で着色されている。