元々、エンジンオイルはピストンやシリンダーなどの金属表面に油膜を形成し、フリクションロスと摩耗を低減している。ただ、通常のオイルの場合、エンジンをストップしてしまうと、時間と共に油膜は減衰し、いずれは油膜切れの状態に近くなってしまう。そうなると次にエンジンを始動する際には、あまり良くない状態でピストンやクランクなどを動かし、シリンダー内面などにキズが発生する原因ともなってしまう。もちろん、エンジンを始動してしまえば、直ぐに油膜は復活するわけだが、できればそういったエンジン始動は避けたい。そこでエンジンをストップしても油膜が留まり続けるよう、オイルに加えて使うのがトリートメント系の添加剤である。
油膜というか金属表面のコーティングに特化したこの系統の添加剤だが、その組成はポリマー系であったり、メタル系など、各社新技術を競っているようである。果たして、どのタイプがどれくらい効果があるのか、非常に微妙な部分もあるが、かなり負担の掛かるエンジン始動時のストレス低減という点では、使う意味があると言えるかも知れない。価格的にも手頃な範囲の製品が多いので、トライしやすい添加剤の一つだ。