基本的には古いクーラントを抜いて、新しいクーラントを入れるだけ。オイル交換などを自分で行っているユーザーにとっては、それほどハードルが高いメンテナンス項目ではない。ただ、クーラントには有害な成分が含まれており、廃棄方法を確保しなければならない点と、オイル交換などにはないチェック項目・作業があるので、十分下調べしてから取りかかるのがいい。まずは廃クーラントを受ける受け皿、容器を準備。十分な容量のバットなどを使って、こぼさないよう作業したい。準備できたらラジエターコアの下部周辺にあるドレンボルトを緩める。緩めた後、ラジエター上部のキャップを開けると、一気にクーラントが排出される。この後、ドレンボルトを締め直し、新しいクーラントを入れるわけだが、万全を期すならここで洗浄を行っておきたい。
洗浄は水道水を注入。ラジエターキャップはセットせず、エンジンを始動して循環させる。この際、空調の温度設定をもっとも高温側にセット。ヒーターコアにも水を回す。水温が少し上がったくらいでエンジンを止め、ドレンから水を抜く。この作業を5回くらい行えば完璧だ。最後の洗浄では洗浄剤を使ってもいいだろう。こうすれば僅かな錆の元や、不純物も取り除かれ、新しいクーラントの寿命も伸びる。その後、新しいクーラントを入れ、エンジンを始動。ヒーターも同様にセットしたら、エア抜きボルトを緩めて、クーラント経路のエアを排出させる。シリンダーヘッド上部やウォーターポンプ周辺にエア抜きボルトがあるので、エンジンが回った状態でこれを緩めると、音を立ててエアが抜けてゆく。エアが抜けるとクーラント量が少し減るので継ぎ足し、キャップを締めて作業は完了だ。尚、クーラントの濃度は、使用地域などによって細かく指示されているので、説明書をよく読んで、指示通りに希釈して使おう。