クルマが走れば走るほど、その原動力となるエンジンの内部には汚れが堆積します。ガソリンが燃焼した後の燃えカスは、カーボンやスラッジとなり燃焼室に付着し、新車時のエンジン本来の性能を低下させパワーダウンや不調の原因となります。 汚れは燃焼室だけでなく、フューエルラインやインジェクターなど燃料の流路にも長年の使用で垢の様な汚れが堆積します。
燃焼室や燃料の流路など、エンジン内部全部のクリーニングを考えるなら、コストパフォーマンスも優れている洗浄系の添加剤が有効です。 燃料に混ぜて走るだけの簡単な使用方法で、一回の使用で効果が現れる事もあります。また、定期的に使用していればエンジン内部をキレイな状態に保つことが出来ます。
ガソリンや軽油を燃料とするエンジンは、基本的に燃料を完全燃焼させるよう作られているのですが、状況によってはどうしても完全燃焼にはならず微量の燃えカスが発生することがあります。この燃えカスがその後の完全燃焼で一緒に萌えてしまえば問題ないのですが、逆に燃えカスが溜ってしまうと、エンジン内での正常な燃焼の妨げとなりパワーダウンや不調を引き起こしたり、さらに燃えカスを増やす原因ともなることがあります。
新車の頃は、エンジン内の汚れを心配する必要はありませんが、走行距離が数万キロを超えた頃から徐々に汚れが堆積し始めることが多いので、定期的なエンジン内の洗浄をお勧めします。
燃料の経路でとくに汚れるスポットとしては、インレットバルブとピストン上面にこびりつくカーボン、そしてフューエルラインが挙げられる。インレットバルブとピストンのヨゴレは比較的広く知られている部分であり、ある程度、誰もがイメージできるだろうが、フューエルラインについては意外に知られていない。日本に流通しているガソリンなどは、品質管理が徹底していてハイクオリティだが、それでも僅かながら不純物が混入していたり、給油の過程で入り込む場合もある。それらやカーボンがラインに溜まっている場合があり、そのヨゴレを処理するには添加剤が有効だ。ただ、燃焼室のヨゴレについては、いい状態で燃焼している限り、完全なる洗浄など必要なく、逆に程よいヨゴレはエンジン好調の印でもある。
エンジン内部の洗浄ですが、完璧に行うとなると、エンジンを分解して清掃するオーバーホールという作業が必要になります。エンジンのオーバーホールは、技術的にも難しく、とても時間のかかる作業のため、その費用は数十万円に及びます。
一方、オーバーホールのように完璧にキレイには出来ませんが、おおよそ重要な個所を手軽にキレイに出来るのが洗浄系のガソリン添加剤です。その名の通り、使い方は添加剤をガソリンに混ぜるだけなので、誰でも簡単に使用できます。添加剤を混ぜたガソリンを使うことで徐々に効果があらわれ、エンジン内の汚れを洗浄してくれます。
カー用品店やホームセンターの市販の洗浄系ガソリン添加剤は、価格を安くして販売数を増やすことを目的に作られているので、洗浄効果は弱く、あまり期待できないので避けた方が良いでしょう。また、ハイオクにも洗浄効果はあるのですが、洗浄成分はごく僅かなので、効果を期待できるほどではありません。
エンジン内部の汚れの除去をするのならば、ディーラーや整備工場などで使われる専門の強力な洗浄系ガソリン添加剤が洗浄作用が強く、十分な効果が期待できます。値段は若干高めですが、おおよそ4000〜5000円程度で入手できるので、オーバーホールの費用と比べたら雲泥の差です。
エンジン内部のカーボンやスラッジ、フューエルラインの汚れを徐々に溶かして除去するガソリン添加剤。アイドリング不調やパワーダウンなどの不調を改善するほか、直噴エンジンのインジェクション周りの汚れの除去にも効果があり、不調の改善報告も多い。著者がこれまで試した洗浄系添加剤中で、最も効果を感じられた製品。