クーラントはエンジンの熱を吸収し、温度が上がると膨張する。するとクーラント経路内の圧力が上がる。当然、そのままだと経路全体、ラジエター、ウォーターポンプなどにも負担が掛かり続け、最終的には液漏れやポンプに不具合を発生させてしまう。しかし、熱を吸収することが目的のクーラントである以上、この圧力変化は避けられないこと。そこでこの圧力の上昇下降に合わせて動作し、適正な範囲にクーラント経路の状態を保っているのが、ラジエターキャップに内蔵されたバルブである。
熱を吸収しクーラントの圧力が上がる。そして一定以上に達するとこのバルブが開き、リザーバータンクへとクーラントを放出し、圧力を範囲内に保つ。一方、圧力が下がると逆側にバルブが開く。するとリザーバータンク内のクーラントが吸い出され、ラジエター内へと戻っていく。これの繰り返しで、循環するクーラントの量と圧力のバランスをとっている。もし、ラジエターバルブの機能が失われたり、不具合が生じると、圧力が上がり過ぎてクーラント経路のどこかで液漏れが発生したり、逆にクーラントの容量不足や圧力不足状態になると、エンジン温度を充分に下げることが出来ず、オーバーヒートとなり、エンジンに重大なトラブルが発生してしまうことも有り得る。