いわゆるフルサービスのガソリンスタンドで給油すると、「ガソリンタンクに水が溜まっています。水抜き剤を使いましょうか」と声を掛けられることがあるだろう。ガソリンスタンドを利用したことがあるなら、誰でも一度は経験があるはずである。果たして、タンクになんで水が溜まるのか。知らない人にとっては「?」だろうし、良く分からないけど、勧められるまま、何となく水抜き剤を買わされたと思っているユーザーも多いだろう。タンクに水が溜まる原因としては、粗悪なガソリンの他、GSなどの設備で混入、そして結露がある。
結露が発生する理由はこうだ。燃料が減ってタンクの空洞部分が増える。当然、そこには通常の空気、大気が満たされる。大気は湿度があるので、気温低下などによってタンク内面に水滴、そう結露を発生させるというわけである。ただ、現行モデルのクルマは、気化したガソリンをそのまま放出しないようになっており、タンク内が大気で満たされるような事はほとんどない。また、タンクそのものも外気にあまり露出しておらず、外気温の変化に対する影響が少ない。もちろん、結露の要素がゼロではないので注意は必要だろう。タンクの錆、それによるフィルターやフューエルラインの詰まり、あるいは燃焼不良など、水が溜まることによるトラブルは無視できないので、可能性があるクルマは使ってみるのも有効だろう。ちなみに水抜き剤の主成分はアルコール。アルコールが水を取り込んで、エンジンに送って燃焼させてしまうのである。