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自動車保険 事故の補償に関する過去の判例

事故後の高額の補償に備え、対人は無制限にするべき

 自動車事故で損害を与えられた場合、被害者にはどのくらいの補償がなされているのでしょうか。自動車保険に加入する際の参考になればと思います。

 

参考サイト : 交通事故紛争処理センター

 

鹿児島地方裁判所鹿屋支部 平成21 年1月29 日判決

事故内容
 12 歳の児童が、十字路の交差点に自転車で進入した際に、交差道路から自動車が進入してきて、衝突。びまん性軸索損傷などの傷害を負い、第2級1号に該当する高次脳機能障害が残りました。
(びまん性軸索損傷…交通事故などで頭部に衝撃を受けて、受傷直後から高度の意識障害を生じ、退院後も記憶障害・集中力や判断力の低下などの認知障害と、攻撃的になったり感情の激変といった人格変化が表れる損傷。)

 

判決
 後遺障害等級・労働能力喪失率についての争いとなったために、主治医から「障害の程度・介護の必要性など」について意見をもらうとともに、被害者が高等学校に在学中であったので、担任・部活動顧問教諭からも詳しい陳述書を作成された。主治医や教諭の協力を得られた結果、裁判所は、加害者(の保険会社)側の主張を否定し、後遺障害等級・労働能力喪失率を認定した。

 

補償内容
 ・将来介護費用について、被害者の一生涯にわたって日額1万2,000 円を認定した。
 ・入院慰謝料として350 万円、後遺障害慰謝料として3,100 万円、合計3,450 万円を認定した。

 

 保障内容を見ると、介護費用を一生涯にわたって日額1万2,000 円とあります。1年で438 万円、日本人の平均寿命は79.59 歳(平成21 年)ですから、60 歳まででも合計2億6,280 万円となります。

 

 

人身事故の補償額

・2005年5月17 日、名古屋地裁、29 歳男性・会社員・後遺障害:3億8,281 万円
・2006 年4月5日、大阪地裁、17 歳男性・高校生・後遺障害:3億3,547 万円
・2006 年6月21 日、大阪地裁、38 歳男性・開業医・死亡:3億6,750 万円
・2006 年9月27 日、千葉地裁、37 歳男性・アルバイト・後遺障害:3億5,332 万円
・2007 年12 月21 日、旭川地裁、7歳男性・小学生・後遺障害:3億0,594 万円

 

 3億円を越える損害賠償を認める判例も数多く出ています。自賠責保険だけでは、とても補償しきれるものではありません。1回の事故が、被害者だけでなく加害者や両者の周りの家族までもの事故後の生活を台無しにしてしまうことを考えると、「無制限の対人賠償保険」に加入することが、ドライバーには求められていると思います。

 

 

対物事故の補償額

・1994 年7月19 日、神戸地裁、積み荷(呉服・洋服・毛皮):2億6,135 万円
・1994 年8月16 日、名古屋地裁、観光バス:2,629 万円
・1998 年10 月26 日、千葉地裁、電車:1億1,347 万円
・2001 年8月28 日、東京地裁、店舗(サーフショップ):3,052 万円
・2004 年1月16 日、名古屋地裁、大型貨物車・積み荷:3,391 万円

 

 補償の対象によって賠償額は大きく変わりますが、ある程度の対物賠償保険には、やはり加入しておく必要があります。




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