従来のクルマのキーは、キーとキーシリンダーにある突起のかみ合わせが合うか合わないかで、エンジンスタートの可否がなされます。
クルマの各メーカーでは、盗難対策として、「エンジンキーの抜き忘れ防止のためのビープ音」「2ウェイキー(ドアとエンジンの2種類のカギの突起を持つ)の採用」などのキー対策をとってきました。
イモビライザーは、キー側とキーシリンダーなどクルマ側で電子的に照合されるキーシステムです。キー側に埋め込まれている送信機(トランスボンダー)のIDを、キーをイグニッションスイッチに差し込むと、クルマ側のコンピューターが正しいIDかを診断して、アンフェアな情報(ID)の場合には、エンジンがかからない機能です。
キーのIDは、デジタル信号で暗号化され、膨大な組み合わせの暗号パターンがあるとされ(具体的な数字は各メーカーとも非公表です)、複製は不可能とされています。
自動車窃盗犯が、キーの突起をコピーして、キーの形状を複製して車内に侵入できたとしても、形状を複製したキーでは、クルマは動かすことができないということになります。
ヨーロッパでは、1997 年からイモビライザーの装着が義務化されていて、これにともない日本のメーカーがヨーロッパへの輸出車には、標準装備されるようになり、国内販売向けのクルマにもイモビライザーを装着したモデルが多くなってきました。
最近では、イモビライザーと自動車盗難防止装置を組み合わせて、異常が認められた場合には、アラームやフラッシュなどで警戒・警報を発するシステムも普及してきました。