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点検の項目で説明した通り、バッテリーは液量を上限、下限の間に保つよう、専用液の補充が必要となるわけだが、それは放電、充電を繰り返すバッテリーのメカニズムの中で、僅かずつ液が減ってしまうからである。詳しくいうと、バッテリー本体の蓄電容量を超える充電が行われた時(過充電)、液中の水分が酸素ガスと水素ガスに分解され、放出されてしまう。これにより液量が減ってしまうのだ。さらに温度変化にも影響され、高温時の方がよりガスの放出が多く、当然、液の減りも早くなる。また、蒸発という面でも高温時の方がより顕著となるので、真夏などは特に液量の減りに注意が必要となってくる。
バッテリーの性能に直接影響が出る液量の減少。具体的には蓄電、放電両方の能力がダウンし、最終的には使えなくなってしまうことも。また、液量が減ると液中の硫酸濃度が高まり、本体の変形、膨張、破裂、もっともひどいケースだと爆発する場合も。そういったトラブルを防ぐのはもちろんだが、本来の性能を確保する意味でも液量の保持は大切である。また、上限を超えるのも、液漏れなどを招く可能性が高くなるので絶対に避けること。バッテリー液は硫酸を含んでいるので、漏れ出すと金属は腐食してしまう。金属の塊と言っていいクルマにとっては、まさに大敵である。