車検は、「道路運送車両法」の「安全基準」と国で定めた環境基準にクルマが適合しているかを検査します。車検の時点で、基準に適合しているクルマは車検に合格し、次の車検まで有効な自動車検査証が発効されます。
「車検に通った」ということは、その時点での安全基準や環境基準に適合しているということであっって、次の車検までの期間のクルマの安全性を保証しているわけではありません。
車検を受けるとき、「自動車重量税」「自賠責保険料」「検査費用」の最低限必要な経費だけでも、まとまった金額になります。そこでユーザーは、それ以外の整備を控え費用はなるべく抑えたいと思うものです。
一般に、ディーラーや整備工場での車検は、カー用品店(フランチャイズ店)やガソリンスタンドなどと比べると、費用がかかると言われていますが、この整備を行う費用が付加されるためです。
ディーラーや整備工場は、車検後も自社のクルマに不具合や事故が生じないで安全に乗れるように、整備のときにオイルなどの消耗品や、ブレーキ・パッドなどの安全に関わる部品については早めに交換します。純正部品は、汎用の製品に比べて価格が高めなので、コストもかかります。
反面、自社のクルマについて、研修を受けて熟知したメカニックが、サービスマニュアルに従って分解・組み立てなどの整備をするので、安心して任すことができます。
もちろん、ディーラーや整備工場以外の車検業者でも、研修を充実したり、作業経験の多いメカニックにより適切に点検・整備を施す店舗もたくさんあります。
ユーザーが、費用を安くあげることだけを求めれば、車検時に安全・環境基準に適合することに主眼が置かれた点検・整備を施されることになるでしょう。見積もりの段階で、どこまでの整備を望むかをきちんと業者に伝えて、費用の面と合わせて相談してみるとよいでしょう。