パワステオイルもエンジンオイルなどと同じように劣化します。パワステの油圧経路には無負荷でも常時10kg/平方cm前後の圧力がかかっており、作動時ともなるとその数倍もの圧力がかかります。
街中を走行しているときにはステアリング操作が頻繁に行われますし、とくに駐車をするときの切り返し操作はパワステに大きな負担がかかります。
このような状況下では、パワステフルードはかなりの高温となりますが、注入されている量が少ないため劣化しやすいといえます。
パワステオイルの場合、劣化してもステアリングが重くなるなどの直接的な影響が現われることはほとんどありませんが、温度が上昇しやすくなります。
パワステ機構の中にはオイル漏れを防ぐためのオイルシールが使われていますが、パワステオイルの温度が上昇すると、このオイルシールを攻撃し、オイル漏れを起こしやすくなります。
オイル漏れをおこしてパワステオイルが足りない状態で操作してしまえばパワステが正常に作動しなくなりますし、最悪の場合パワステを損傷してしまいます。よって、定期的にパワステオイルも交換する必要があります。
パワステオイルが劣化すると、オイル内に泡が発生しますので、据え切り時に異音が出たり、振動を感じたりすることがあります。このような場合には交換の時期と考えられます。
また、オイルの色が黒ずんでいれば汚れている証拠ですので、これも交換した方がよいでしょう。これらの症状がわかりにくい場合でも、だいたい2万キロていどで劣化するといわれています。