ブレーキオイルはブレーキシステムを正常に作動させるために必要不可欠な特殊なブレーキ専用オイルで、エンジンオイルなどと同様、定期的な交換が必要になります。
ここでは、ブレーキオイルの基本的な役割についてご説明いたします。
現代のクルマの一般的なブレーキシステムは、油圧を利用したものになっています。
つまり、ブレーキペダルを踏んだ力を油圧を使って大きく変化させて、ブレーキキャリパーのピストンやブレーキパッドなどへ伝える仕組みになっています。このとき力を伝えるための媒体になっているのがブレーキオイルで、ブレーキオイルはブレーキペダルの踏力をブレーキキャリパーのピストンまで伝える役割をしています。
ブレーキシステムにはゴム製の部品や金属性の部品が使われているため、ブレーキオイルはこれらの部品を腐食させない性質が求められています。
また、ブレーキはドライバーの安全を守るもっとも重要なものですから、劣化などによる機能低下ができるだけ少ない、つまり科学的に安定している性質や、高温にさらされるために沸点が高い性質が求められます。これらの性質を満たす特殊なオイルが使われているので、他のオイルと混ぜて使うことはできません。
また、水に弱い性質がありますから、交換のときなどには注意が必要です。
ブレーキオイルにはDOT4やDOT5などの表記がなされていますが、これはブレーキオイルの沸点に関する性質を表しています。
DOT4よりもDOT5の方が沸点が高く、高温になってもベーパーロックをおこしにくいですが、吸水性が高く、ライフが短くなってしまいます。