粘度表示とは、オイルの粘りの度合を数値で表したものです。その粘度を表すための代表的な規格がSAE規格です。

 

　オイルの容器には、「10W-30」のような表記があります。これはオイルの低温時での粘度と高温時での粘度を表した数字です。

 

　この例で言えば、「10W」が低温時での粘度で、「10W」の「W」とは「Winter／ウィンター(冬)」、つまり寒い環境における粘度を表したものということになります。

 

　この数値が小さければ小さいほど、低温時でも柔らかいオイルであることを意味します。このようなオイルを使用すれば、寒い朝などでもエンジンのかかりが良く、また、燃費が良いなどの効果があります。また、「30」は高温時での粘度を表したものです。

 

　この数値が大きければ大きいほど高温時でも柔らかくなり過ぎないオイルであるということを意味します。このようなオイルは、夏の暑い時期に使用しても劣化が少なく、エンジンへの負担も軽減することができます。

 

　一般的には、この低温時の数値と高温時の数値の幅が大きいほど、あらゆる走行条件に対応しているということになりますが、使用する季節や走行状況などによって、粘度の違うエンジンオイルを使い分けるのが望ましいです。

 

※SAE(Society of Automotive Engineers)とは機械関連の専門家を会員とするアメリカの非営利団体で、「自動車」「トラック」「船舶」「航空機」などの動力機械に関する標準化機構のことです。