タイヤチェーンは、スタッドレスタイヤを持っていない人や、装着していない場合に応急的に使用するものだと思っている人も多いと思います。もちろん、間違っているわけで はありませんが、注意しなければいけないこともあります。

　例えば普通タイヤを装着した前輪駆動車の前輪にタイヤチェーンを装着したとします。駆動輪である前輪は雪道でもグリップしますが、普通タイヤの後輪はグリップしません。すなわち、直線ならば走行できるかもしれませんが、コーナリング時は後輪が滑って外側にふくらんでしまうのでスピンしてしまう恐れがあります。また、同じく後輪駆動車の後輪にタイヤチェーンを装着した場合、雪道で後輪はグリップしますが前輪はグリップしません。すなわち、轍を乗り越えられないので直進安定性が損なわれます。また、コーナリング時にはステアリング操作が効かない恐れがあり、大変危険です。

 

チェーンとスタッドレスタイヤの組み合わせ

　では、スタッドレスタイヤにタイヤチェーンを装着した場合はどうでしょう。前輪駆動車の前輪にタイヤチェーンを装着した場合でも、後輪もグリップしてくれます。そのため、コーナリング時でも後輪が外側にふくらみにくくなり、安定して曲がることができます。また、後輪駆動車の後輪にタイヤチェーンを装着した場合でも、前輪もグリップしてくれるので、直進安定性にすぐれ、コーナリング時でも安定して走行することができます。