クーラントの寿命延長、性能復活、オーバーヒート防止などを謳って、クーラント添加剤が出回っている。クーラントは指定されている通り、車検毎などに交換していれば、通常、問題なく必要な性能を発揮してくれるが、その際は有害廃棄物となる廃液が発生してしまう。また、エア抜きや水による洗浄など、その作業時間や手間を考えると、それなりに負担の掛かるメンテナンスではある。その環境負荷や人的負担を省略してくれるのが、この添加剤というわけだ。その中身は防錆性能や凍結防止性能を復活、強化させる薬剤が配合されており、入れるだけで性能回復＆アップが望める。その手軽さは大きな魅力である。
ただ、非常に手軽なだけに、注意すべき点もある。元々のクーラントのヨゴレ、不純物、水アカ、錆などは除去されないということ。これらは交換洗浄が唯一の解決策であり、添加剤の注入では改善しないということ。なのでクーラントの劣化、ヨゴレがある程度進行している状態では、添加剤も僅かな一時的な効果しかない。添加剤を使うにしても見極めが大切。クーラントの状態をよく確認してから使用したい。また、添加剤の中には、液漏れしている部分に浸透し、そこを塞ぐような効果をもった製品も販売されている。これも根本的には、漏れている部分の交換がベストなわけだが、それまでの一時しのぎとして利用するにはいいかも知れない。
