まずはエンジン始動

　スターター（セル）モーターを回しエンジンを始動する。クルマで走り出す前、当たり前に行うこの儀式だが、エンジン内部のクランクを回すのも、燃料を混合気にして供給するのも、それに点火するのも、バッテリーからの電力がなければなにも始まらない。一旦、エンジンが始動してしまえば、自らの回転力で発電、蓄電も行われるので、エンジン稼働におけるバッテリーの負担はかなり減るものの、現代のクルマのほとんどは、細かな制御をほとんどコンピューターで行っており、これまた電力が不可欠。とくに低燃費の為の燃料量や点火コントロールなどは、コンピューターがその全てを握っており、燃費追求も電力が鍵と言っていい。

 

安全性や快適性、利便性も与えてくれる

　エンジンという動力以外にも、クルマの安全走行に関わる前後ライト、ブレーキランプ、ウインカーなどの灯火類も当然、バッテリーからの電力で賄っているし、いわゆるパワーウインドーや電動ドアミラー、電動シートなど、電気で動く部分はすべてバッテリーからの電力頼り。さらに直接クルマの走行に関係がない部分でも、エアコンやオーディオ、当然ナビなども電力で動いている。また、現代のクルマならドアの解錠、施錠まで電動だ。まさに乗り込む時から、降りる時まで、クルマは電力頼りなのである。なにげなく意識せずにやっている動作、行為ばかりであるが、クルマにおけるバッテリーの役割の重要さと多様さがよく分かるだろう。